避妊・去勢について.2
日本の獣医師会による絶対的な統一指針は出ていません。

と言うことは、各獣医師によって考え方や手術方法、手術費等が異なる訳です。
海外の獣医師では更に考え方が異なっている場合が多くあります。
自身で納得でき信頼できる獣医師に確認を取り、不安を覚えるようでしたら他の獣医師に
よるセカンドオピニオンも必要です。

獣医師の中にも以下の様な見解を持つ方もおります。

性ホルモン(男性ホルモン・女性ホルモン)を分泌する臓器(睾丸・卵巣・子宮)の除去手術を
簡単に薦める去勢・不妊手術は大きな疑問を持つというのです。
安易に考え手術してしまえば復元は出来ないことを再認識すべきと提言しています。

去勢・避妊手術を行う目的と理由を明確に表し再認識させます。
1 産児制限  (お産が面倒、お産が可哀想等)
2 優性保護  (遺伝性疾患因子を保持している事が判明している)
3 飼い主の勝手(発情期の出血、吠える、気性の荒さ、スプレイ等の煩わしさ)
4 獣医学的視観(乳腺腫瘍・前立腺肥大・肛門周囲腺腫瘍・癌の発生を防止、子宮蓄膿症の防止  、気性の激しさの緩和等)

去勢・避妊手術の方法
・去勢手術/牡
1.両睾丸の摘出手術    (男性ホルモン分泌不能・精子造成不能) 更年期障害有り
2.両睾丸の精管の結紮切断 (男性ホルモン分泌温存・交尾受精不能) 更年期障害無し
・避妊手術/牝
1.子宮・両卵巣全摘出   (女性ホルモン分泌不能・欠如 不妊)  更年期障害有り
2.子宮・一側卵巣摘出   (女性ホルモン分泌能有り 不妊)    更年期障害無し
3.子宮のみ全摘出     (女性ホルモン分泌能有り 不妊)    更年期障害無し
4.両卵巣のみ全摘出    (女性ホルモン分泌不能・欠如 不妊)  更年期障害有り

ホルモンの知識
卵巣からのホルモン分泌
・発情ホルモン (エストロゲン)
 卵巣の発育卵子から分泌するホルモンで牝性器の発育や牝らしい性質を育成する。
・黄体ホルモン (プロゲステロン)
 卵巣の卵子を排卵し、黄体を形成し黄体ホルモン分泌する。
 乳腺の発育、妊娠の維持、泌乳の準備をする。
 睾丸からのホルモン分泌
・男性ホルモン (テストステロン)
 睾丸で分泌するホルモンで、精子を形成し、牡性器の発育、牡らしい性質を育成する。
 副腎皮質からのホルモン分泌
・副腎皮質ホルモン (コルチゾール)
 副腎皮質細胞から分泌するホルモンで生命維持に欠かせない貴重なホルモン
 甲状腺からのホルモン分泌
・代表的にサイロキシンと呼ばれているホルモン
 生体のエネルギー代謝に深く関係しているホルモンで、体温、呼吸、心臓機能、心拍、色素、被毛の成長、光沢、脱毛、生え変わり、皮膚等に深く関係。

各ホルモンが正常に分泌されることにより健康が維持出来る仕組みになっています。    
しかし去勢・不妊手術によりホルモン分泌が無くなることでバランスが崩れ、他のホルモン分泌腺に負担が掛かる結果、皮膚病等の疾病が起こります。

去勢・避妊手術とホルモン〜疾病への関係
・去勢不妊手術の結果、性ホルモンが欠如し、甲状腺機能低下が起こり、甲状腺低下性
 皮膚病が発症する。
・去勢手術により、男性ホルモン失調を起こし、男性ホルモン欠乏性皮膚病が発症する。
・不妊手術により、女性ホルモン失調を起こし、女性ホルモン欠乏性皮膚病が発症する。
 去勢・不妊手術は副腎ホルモンの生産・分泌不全を起こし副腎不全性皮膚病を誘発させ、下垂
 体メラニン生産細胞ホルモンの不全を起こし皮膚色素沈着性の各種皮膚病を誘発する原因を育
 成する。

ホルモンの分泌不全による病気
・男性ホルモン欠乏 (男性更年期が発生し元気低下、肥満体化)
・女性ホルモン欠乏 (女性更年期が発生し元気低下、肥満体化)
・甲状腺低下症   (性質穏和、被毛乾燥、脱毛、色素沈着、心拍低下)
・副腎皮質低下   (肥満体化、背中の脱毛、色素沈着、皮膚病を誘発)
・黄体ホルモン過剰による子宮蓄膿症

去勢・不妊手術についてのインフォームドコンセント(獣医師から正しい情報を得た上での合意)
1.去勢・避妊に付いて細かい説明が有りましたか?
2.メリット、デメリットに付いて細かい説明が有りましたか?
3.手術方法に付いて細かい説明が有りましたか?
4.危険性(麻酔、手術リスク、疾病の発生等)に付いて説明が有りましたか?
5.手術費・治療費等に付いて説明が有りましたか?
6.食事管理に付いて説明が有りましたか?


正直に申して、現在は保健所や動物愛護セーター、獣医師、ペットショップやブリーダーなどの大半は去勢・避妊手術に付いて賛成の意見を持っていると思います。
生まれてきた子犬の飼育者を見つけられないことによる殺処分の減少を目論んだり、過剰な出産頭数の調整や、危険な素人繁殖や自然繁殖を減らすことなどを目的に進められていると思います。
ただ手術を行えば二度と元の体には戻りません。
デメリットもあることを十分承知してください。
他人に進められたからとか、皆が行っているから去勢・避妊手術を行うのではなく、獣医師によるインフォームドコンセントをしっかり受け、利益項目と不利益項目を理解し、ご自身とご家族が納得してから行う様にしてください。

                                                                                  2010.06/17
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